フェーズ2振り返り 6ページ前半
フェーズ2の振り返りが記載されている6ページ目の前半から説明していきます。
埼玉、東京を通る新ルート直下から1km圏内、1500m以下で着陸機が通過することを想定して書きます。
風向きや天候の状況、元々静かだった地域では2km圏内でも騒音が届きます。
出典 ”国土交通省 羽田空港のこれから 羽田空港のこれから「ニュースレター」 第7号(2017年春)”
http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/news/i/nl20170710.pdf
P.6 2017年7月10日 引用
■窓の開閉・テレビの音・住宅街やオフィス・大型機の騒音
「騒音の大きさで窓が開けられなくなったり」という内容ですが、開けられないと思っていた方が良いです。窓を開けてしまえば外の環境と変わりません。この資料での説明が窓を閉めていることが前提となっているようで全く納得できません。
テレビの音声はリビングに設置されていて窓を開けていた場合は35以上※にしないと聞き取れなくなります。余程大きい家ではない限り窓からは2m~5m程度のところに設置されているのではないかと思います。飛行機が通過している間に発生する騒音はピークはあれど40秒程度続きます。窓を閉めていたとしても20程度※の音量では聞き取れなくなります。
※ 以前はメーカーによって音量に違いがありましたが、2012年4月に「音声レベル運用規準」という基準が公開されておりここ数年で発売されたテレビはこれに準拠をしています。
オフィスに関して、窓が開けられる、フィックス窓という壁に埋め込むような窓がある場合は騒音は無視できません。壁面がカーテンウォールになっている高層ビルなど、分厚いガラスを使っていたり非常用の窓しか開かないところは影響が少ないのではないかと思います。
住宅街、オフィスも同様ですが、元々静かだった地域であれば航空機の騒音がよりはっきりとわかるようになりますので聞こえ方が変わってきます。
繁華街、駅、線路沿い、車通りが多い道から少しでも住宅街へ入れば静かな環境だと思いますがここを飛行機が通過する訳ですから、これを気にしないようにする事が非常に難しいです。
2010年頃から文京区で羽田の離陸便の騒音について書かれているブログを拝見しましたが、6000m以上を通過していても静かな地域だと高いところを通過していても地上ではうるさいと聞こえます。
■低空飛行のストレス・通過頻度・圧迫感
テレビの音量を上げたり、ヘッドフォンをしたり、風が吹いていて心地いい時に窓を閉めてクーラーを付ける必要があったり、休日に遅くまで寝ていたい時、昼寝をしたい時などストレスでしかありません。
通過頻度も31便が通過するルートですと単純計算で2分に1機が通過します。13便程度だと4分ちょっとです。通過する飛行機の騒音は一瞬では終わらないため1500m付近あれば40秒~60秒程度続きます。高度を上げることで騒音は小さくなりますがより高いところを飛べばそれだけ影響が広がります。低空だと騒音が大きくなりますが継続する時間は少なくなります。
圧迫感に関して機影が見える場合と騒音の場合とがあると思いますが、初めのうちは高度の低さに驚くと思います。雲より低い高度だと飛行機の機影がはっきりするので低く感じると思います。高度に慣れても騒音に慣れてくることはありませんから、圧迫感を感じるときは機影が見えない場合、曇り空や雨天の場合にどこからともなく聞こえてくる場合です。どこから聞こえてくるのかわからないことがより不気味に感じるかもしれません。
特にエアバスA320の高音で遠くから近づいて聞こえてくる騒音は、もしかしたら墜落するのではないかと思うような不気味な音です。ボーイング747や777などの大型機は低い重低音と共に振動も地上、家の中まで届きます。
■早朝や夜間の騒音
新ルートは15:00~19:00の間だけではなく、都心以外を飛ぶルートも含めると6:00~23:00まで飛びますので17時間あります。
23:00~6:00までを夜間の時間帯と説明しており通過時間は7時間です。
回答内容を読むと都心の学校のことには気を遣っていますが、他の地域の学校に通う子についてはどうでも良いと思っていることが読み取れます。
元々、各国からの依頼で15:00~19:00の需要が高いとグラフまで付けて説明しています。初めからこの時間で調整していたと思いますので、「学校の終わる時間」をあたかも考慮しているような回答には違和感を覚えます。学校が終われば家に帰ってきて昼寝や、受験勉強などがありますので家にいる時間は騒音が続きますので対策が必要になります。
特に赤ちゃんや小さいお子さんが居る家庭などでは泣いて飛び起きますので空調機が必須です。
■病院や公的施設の防音
法律に基づく基準を超える場合は空調機の設置や防音サッシ等の工事が受けられますが、この新環境基準(Lden)を超える地域は限られたエリアしかありません。別の機会に詳しく書きますがこの基準値を下回っていても、お住まいの地域が騒音とは無関係であるかどうかは別の話しです。基準値以下であっても千葉県で騒音の苦情が一向に減らないことが全てを物語っています。
次のページでは6ページ後半の説明をします。