羽田空港のこれから「ニュースレター」第7号(2017年春)を騒音観点から読む

羽田空港のこれからニュースレター7号春

フェーズ2振り返り 6ページ後半

フェーズ2の振り返りの6ページ目の後半の説明をしていきます。
埼玉、東京を通る新ルート直下から1km圏内、1500m以下で着陸機が通過することを想定して書きます。風向きや天候の状況、元々静かだった地域では2km圏内でも騒音が届きます。

前半と同じ条件です。

騒音課題2

出典 ”国土交通省 羽田空港のこれから 羽田空港のこれから「ニュースレター」 第7号(2017年春)”
http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/news/i/nl20170710.pdf
P.6 2017年7月10日 引用

■他の音との組み合わせによる騒音・生活環境

新ルートで関心が高いのは、主に都心上空を低空飛行する埼玉・東京の方だと思います。
ここを飛ぶのは15:00~19:00の切り替え時間を含めて4時間です。わずか4時間でもこれまで静かだった地域であればあるほど確実に悪化します。

現状、千葉県では6時から23時まで実に17時間通過しています。ブログなどで「千葉県 羽田 騒音」「江戸川区 羽田 騒音」などのキーワードで検索すると、2010年に羽田D滑走路が完成し運用が開始された後に生活環境が悪化したことがわかります。

特に影響があった地域がここで説明している都心ルートと同じ南風時好天ルートの千葉市、佐倉市、四街道市。南風悪天時ルートになる、四街道、佐倉市、印西市、白井市、船橋市、松戸市、市川市、東京都江戸川区などです。江戸川区は600m~1000mと現状のルートでも最も低い高度を通過します。その他の地域は1200m~1500mで通過しています。

他の騒音との組み合わせですが、より大きい音の方が支配的になると説明資料でも記載があります。少し前の説明でもしましたが飛行機騒音の継続時間は40秒を超えます。普段の生活環境の中で飛行機を超える音で40秒を超えるという状況は電車に乗っている時か、道路工事の音くらいです。一瞬であれば飛行機騒音より大きいものはありますが、あくまでも一瞬です。継続時間からするとこの飛行機騒音に全て支配されます。

■落下物

成田空港では氷塊などの落下物が報告されています。2017年6月8日に成田空港着陸機のルートで民家に落下物があり瓦を突き抜けるというニュースがありました。その他も複数の落下事故がありますが、調べていて驚愕だったのは航空機のものであることが証明されなければ何も保証されないということでした。つまり人に当たっても証明が出来なければ泣き寝入りするしかないということです。これについては引き続き調べて詳しい事がわかり次第更新します。

羽田の新ルートでは人口密集地を飛ぶ訳ですから、何か落下物があれば人や建造物などに当たる確率は高くなります。田畑などに落下しすでに溶けいる場合などは落下があったのかどうかもわかりませんから、報告されている落下物の数字だけではわからない事があると思います。

■テロや人為的ミス

羽田の新ルートではGPSや地上に設置されている位置観測機を使い、2機が平行して着陸を行うダブルRNAVという世界初の方法で運用されることになっています。安全だからこの方法を選択したと思いますので事故が起きないように祈るしかなさそうです。

■不動産価値

様々なブログやTwitterで調べてみた限りですが、不動産価値は重要事項説明などで必須事項となら限り低下することはないと思います。もし必須事項となった場合、影響が大き過ぎるのでまずやらないと思います。やらないというより、やれないというのが正しいのかもしれません。航空機のルートは法律でどこでも自由に設定ができるような話しも聞きましたので、様々な情報を良く探して読み判断していくしかなさそうです。

ただ私はルートになっている場所に価値はないと思っています。
窓も開けられない、無駄に空調機をつけなくてはならない、うるさすぎてベランダや庭に出られない。こんな暮らしをしたくなければまずルート付近は避けた方が良いということを強くお勧めします。

■将来の運用時間拡大

羽田D滑走路の運用開始後、数年ごとに増便が続き生活環境が悪化していきましたので、これまでの状況からすると拡大しない理由がなさそうです。2020年以降の計画でE滑走路の話しも少しずつ出てきているようですので、これから引っ越しや家を探している方は注視したほうが良いです。

最後に

主に騒音での質問について記載しましたが、飛行機騒音がどれほど生活に影響があるのか伝わりましたでしょうか? もっとこんなことが知りたい、この地域のついて調べて欲しいみたいな事があれば気軽にコメント頂ければお調べします。