羽田新ルート 北風時離陸ルート(荒川北上ルート) 振動を伴う大騒音

第5フェーズ 江東区江戸川区葛飾区北区文京区練馬区板橋区中野区東京西部さいたま南部

羽田新ルート 北風時離陸ルート 振動を伴う大騒音

羽田新ルート 北風時離陸ルート 荒川北上ルート

出典 国土交通省 羽田空港のこれから
羽田空港のこれから「ニュースレター」第10号(2018年冬)【PDF】(2.7MB)
http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/news/i/20181126_1.pdf
2018年12月26日 引用

羽田新ルート 北風時の新飛行経路(案)について 13.江東区、江戸川区

第5フェーズ 江東区江戸川区葛飾区北区文京区練馬区板橋区中野区東京西部さいたま南部

出典 国土交通省 羽田空港のこれから 新飛行経路案の詳細
江東区、江戸川区【PDF】(586KB)
http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/international/pdf/20180306_01_13.pdf
2018年12月26日 引用

北風時離陸ルートの概要

羽田新ルートでは、人口密度の高い地域を通過するインパクトから南風着陸ルートばかりが取り上げられていますが、年間を通じて6割以上(約219日)が北風ルートでの通過となり振動を伴う騒音は南風以上に脅威になる可能性があります。

最近、ツイッターのDMで離陸について詳しく教えてほしいと依頼があったため北風離陸ルートの実態について記載します。

北風離陸ルートは、滑走路や時間帯、目的地によって複数存在するため今回は白黒の図に赤枠で囲ったB滑走路から離陸する荒川を北上するルートを説明します。

B滑走路離陸ルート(荒川北上ルート) 7:00~11:30 15:00~19:00 

午前 7:00-11:30 4時間30分
午後 15:00-19:00 切り替え含め3時間
通過機数(時間) 22機(最大23機) 約2分40秒に1機が通過
現行ルートから11便の増便
高度 900m~1800m
(3000ft~6000ft)
江東区 江戸川区 浦安市
南砂町駅 西葛西駅 葛西駅 浦安駅
東雲駅 辰巳駅 新木場駅
1200m~2400m
(4000ft~8000ft)
西大島駅 大島駅 東大島駅 船堀駅 一之江駅
亀戸駅 亀戸水神 東あずま駅 小村井駅 平井駅 新小岩駅
1350m~3000m
(4500ft~10000ft)
曳舟 東向島 鐘ヶ淵 堀切 牛田 千住大橋 北千住
京成曳舟 八広 四ツ木 京成立石 青砥
小菅 綾瀬 亀有
五反野 青井 六町 梅島 西新井
荒川区(都立尾久の原公園付近)
足立区(千住大橋付近)
3000m~6000m
【上空を通過する説明に記載のない地域】
北区 板橋区 練馬区
和光市 朝霞市 新座市
【騒音が届く範囲】
文京区 草加市 戸田市
騒音値(ルート直下)  73dB~77dB超 ・窓を閉めていても騒音が部屋の中を貫通する
・戸建ては外壁に振動が伝わり家が揺れる
・動物が異変を感じるほどの振動がする
・低周波騒音を感じやすい方は引越しを考えた方が良いレベル
風向  北風 北風運用の割合 年間平均 約6割:219日(約7ヶ月)

今回、新しく設定されたルートで午前と午後それぞれ通過する時間帯が分かれています。
羽田新ルートが設定された地域で最大の騒音が発生する地域は、川崎市の殿町小学校付近ですが、通過する時間の長さ、振動を伴う騒音、高度の低さ、通過便数、通過日数(年間6割)から全ルートの中で最も影響を受ける地域がこの荒川を北上するこのルートになります。

現行ルートでは西日本方面・中国・韓国、北日本・アメリカ・カナダ・イギリス・ドイツ・フランス方面と朝6時~23時まで17時間通過していましたが、新ルートでは時間帯によって通過する地域が異なります。

現行ルートの説明では1時間に12機と記載がありますが、時間帯によってはすでに15機以上が飛んでおり、航路の幅も説明通りの5kmに収まっていないケースも散見されます。flightradar24などで確認すると南風時は説明通りのルートで通過していますが、北風離陸ルートは記載通りのルートでは飛ばないと思っておいた方が良いです。

騒音の範囲について

これまで現行の羽田空港を離発着するルートを東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県で延べ100ヵ所以上現地で確認してきました。

離陸ルートは風向きによって通過するルートが微妙に変わりその航路幅は5km以上あるため、南風以上に北風離陸ルートの騒音は広範囲に影響を及ぼします。
風が強い日や曇りの日はそこらじゅうに騒音を撒き散らすため地表にも届きます。窓を閉めていても貫通した騒音はすべて家の中で減衰される聞こえなくなるのを待つしかないため家中が振動します。特に戸建て住宅は絶望的なほど影響を受けるため、ルート付近に戸建て住宅の購入を考えている方は注意が必要です。


羽田空港のこれからv4.0の説明の中に窓を閉めていた場合の遮音効果の図がありますが、防音できなかった騒音は全て家の中に届きますので騙されないように注意してください。そもそも窓を閉めていることが前提となっており、羽田新ルート付近に住んでいる方は羽田新ルートの通過後に窓を開けて生活することが出来なくなった事実を後で知ることになります。

もう1カ所注意が必要な記載箇所として、荒川は川幅があり緩衝地帯になるような書き方もしていますが、他の河川と比べると少しばかり川幅が広いだけで騒音影響が無くなる訳ではありません。高速道路やバイパスなどの交通量の多い道路では防音的が有効ですが、同じように騒音対策するとなると通過する航空機以上の高度以上の防音壁が必要です。

荒川を北上し、西方面に向かう航空機は新小岩駅を過ぎた辺りから五反野駅付近で左に大きく旋回します。この時、地上から見上げた場合ひっくり返るほどの旋回をすると思いますが、この時の後方への騒音は7km先まで届くと予想しています。
すでに現行ルートでは江戸川区・市川市・松戸市を通過しており、移動しながら確認したところ海外行きのボーイング777の騒音が最大8km先で聞こえることを確認しています。

どうしても隠したい北風離陸ルート

羽田新ルートの計画が徐々に広まりつつあるものの、当初から十分な説明が記載されないままになっている東京湾上空・東京都を横切る離陸時ルートです。

これまで東京都上空を横切るルートが何度か青い線で記載されることがありましたが途切れたままとなっており、「羽田空港のこれから 第5フェーズ」の説明になっても詳細に記載されていません。

冒頭で記載したように低高度と都心ルートという言葉が先行して南風時ルートばかりが取り上げられるため、北風時離陸ルートの途切れた線に気が付いている方はかなり少ないと思います。

最近、ブログやTwitterで離陸ルートがうるさいという書き込みを良く見かけるようになりましたが、実際に増便されているため気のせいなどではなく、許容できるレベルを超えたからだと思っています。

北風離陸ルートの年間平均が6割以上(約219日)もあり、時間帯によって分かれるものの1時間あたり最大で23便が通過することになります。このうち、西日本方面と北日本方面で2つのルートへと分岐しますが、今回の荒川北上ルートは新小岩駅、五反野駅付近で3000m程度で通過するとなると、これまで北区・板橋区・練馬区を5000m程度で通過していた航空機も高度が下がり4000m台で通過すると予測しています。

この西日本方面ルートは成田空港からの離陸便も同じWayPointを通過するため、今後さらに騒音が発生する地域になります。現在、成田空港では天候不良などの場合には夜中の12時まで離発着を認められており(住民の意見は無視)、夜中にも通過する可能性があります。

現行ルートではすでに都心を通過していますが、徐々に気が付き始めた方が出てきているためバレていないなら北風離陸ルートはそっとしておきたいんだろうなという印象です。ただし、羽田新ルート開始後は南風以上に問題となる可能性がありますので、「羽田新ルート 北風時の新飛行経路(案)について 13.江東区、江戸川区」のピンクのルート付近に新居をお考えの方は現行ルートで同じ高度を通過している江戸川区・市川市・船橋市・松戸市で実態を確認されることを強くお勧めします。

北風離陸ルート 今後書く予定の記事

調査している最中にわかったこととして、カーブ付近の騒音が8km先まで聞こえたことから、羽田空港のこれからで説明されていない騒音が発生する地域について書きます。
まだ羽田新ルートが始まっていませんのであくまでも予想ですが、10年近く騒音に悩まされ続け信じられるのは自分の耳だけです。